月の命日



帰省した時。
僕は基本的にはお米派で、帰った時くらいと炊き立てを食べたいとわがままを言う。で、朝にはお米の炊けたいい香りがするが、その最初の一口分は仏壇と神棚に行く。
毎朝、お袋がお猪口に水を足し、一緒に供えて手を合わせる。
今回、お袋がいなかったせいか、水は替えられていたけどお米は供えられてはいなかった。
仏壇にはいただきもののお菓子、帰省で持ち帰ったお菓子が供えられている。まぁまぁ人の出入りがあるのか、今のテーブルの上にはいろいろなお菓子がある。
でもみてみると、前回の帰省で持ち帰った羊羹がまだ並んでいた。替えておけばいいのに…
仏壇の線香立ての灰を掃除し、燃えカスを取って。
表面を均して香を焚く。
見慣れない服装の親父の遺影に手を合わせて、お袋の快復を支えるように、願う。
親父にしてみれば、別に神様でも仏様でもなく亡くなった普通の人なので、願いをされても困るだろうけど、まぁ、なんとなくそっちの世界にいるんだから、何かしてくれるのかもしれない。
毎月の月の命日の法要が七回忌を越えた辺りから回数が減り
姪っ子や甥っ子もいなくなり
いつも来ていたご隠元も先日亡くなったらしい。
今回は祥月命日にもお袋もいない。
3684日。
親父の命日も、それなりにさびしいものにかわってきているな。
何もしないのは悪いけど
命日と言わず、いつも想い出しています。想い出しているんだから、まぁ、なんとかお袋をよろしくね。
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