少し、回復している感じ。



3/17、金曜の仕事が終わってから帰省。
話が少し寄り道になるが、先日、セゾンカードからステータスアップグレードの招待がきて、アメックスのゴールドになった。ゴールドは、初めて。で、ゴールドの得点の一つに空港のラウンジの利用があったな、って思って試しに行ってみた。¥1100くらいの利用料が免除、無料になった。おぉ。中は広いスペースとフリードリンク。食べ物は無し。国際線のビジネスクラスなどのラウンジとは大きく違うな…
で、そんなことをしていたので、手荷物検査後のエリアでうどんでも、と思っていた間に合わなかった…空腹で搭乗。
北九州空港に着くと結構な雨。兄貴が迎えに来てくれていて、車で帰宅。
23時近くになっていたがそこから晩御飯。ふぐちりだった。
さすがにこの日は遅くなったので見舞いには行けず。
3/18
聞くと、見舞いは短時間の制限があるそうだ。5分とか、10分とか。一日の中でそれだけの時間しかないなら、ほかの時間は?
もともと、ある程度時間は空くかと思っていたので会社からPC持ってきていて仕事をする気半分。ただそれも一日やる気もないので、ちょっと前にできた地元のアウトレットに行くことにした。自宅近くのバス停からのんびり50分程度で着く。
あまりあてもなく、本当はIHの調理器などをとも思ったけど、帰省するとも思ってなかったのでふるさと納税で手配済み。もっと早い帰省ならよかった… ゴルフウェアとか洋服とかを見て、仕事でも使えそうなジャケットと、スウェットの短パンを買った。
バスに乗って自宅に戻ったのが16時。それから見舞いに。
兄貴たちから病院の部屋番号を聞いて向かう。で、いざその部屋に行くが入り口の名札には名前がない。病室を覗いてみても、それらしき形もない。ナースセンターで聞くと、個室に移ったらしい。昼間に兄貴の嫁さんとかが来た時はまだ団体部屋だったのに。
部屋に入って声をかける。前と同じで、すんなりと受け入れてくれるところが怖い。どうして僕が今ここにいるのか、について驚きも感動も見えない。わかってないのかもしれない。それが怖い。
話を始めると、何かに怒ってる。でも、所々でしっかりと話がつながる。誰かが何もしてくれない、って言っているが、その中の登場人物がちゃんとしてる。話の中で、「あのね、おさるさん」と話しかけてくれる。あ、ちゃんと認識してくれる。
今回のきっかけなのかもしれないような話も出てきた。姪と宿泊施設に行った時に、支配人の人がサービスでお酒を出してくれたそうだ。それをむげにするわけにもいかず、飲み過ぎたらしい。で、ベッドから落ちたようだ。その時に、横の机か何かで頭をうったらしい。宿が救急車をと言ってくれたが、そういうのは相手に迷惑がかかると辞退した、ということも言っていた。かなり、話が聞ける。
最初に兄貴から10日間くらいが山だと言われたと聞いていて。しばらくは沈んだ状態なのかなと思っていたけど、思っていたよりも普通に近い。安心と言うよりも不安も強くある。このあと何か来るのかな?って。
面会は3分までと言われながら、20分くらいいてから帰った。 この時点では、最悪という事態は頭の中のかなり隅っこに行っていた。
3/19
東京に戻る日で、面会開始の時刻に向かう。11:00を回った頃に到着。
部屋についてびっくりした。ベッドに一人で座って髪の毛を触ってる。え、座れるの??
話しかけるクシだかブラシだかを探している。髪の毛が長いので寝ていて邪魔になっているようで、まとめたいようだ。部屋の中を見渡すとブラシがあることに気付いて「これでいい?」と渡すと、右手に持って髪をとかし始める。何度も何度もブラシをとおして、まとめようとしている。なんか、これって以前見てた姿に近い。髪を留めるゴムやピンがないと言い始める。なんか、普通だ。
座っていて疲れたのか、髪を触るのを終えるとベッドに横になった。ここで、一つ切り札を試してみた。
お袋は、何故かとにかくオロナミンCが好きで、結構頻繁に飲む。部屋に来る前に病院の売店で買ってきておいた物を見せてみる。
「オロナミンC、飲む?」
「飲むよ」と、一度寝たところから体を起こそうとする。おぉ。いいやん♪体動くやん。
瓶ごと手渡して自分で飲んでもらおうとしてみた。少しずつだけど、瓶に口をつけて口の中に入れて。しっかりと味わってる。
「美味しいね?」と聞くと
こめかみの辺りを指しながら「この辺から冷えてくるね」という。
なんか、切り札一つ、成功したかも。いい感じだ。
三口目を飲んだ後に少しこぼしてしまったが、支えていた手が甘かったようだ。それくらいは、今は仕方ない。
看護師さんに着替えをお願いして部屋の外にいると、主治医なのかな、通りかかって話を聞くことができた。
ざっくり言うと、安心できるわけじゃないが峠は越えたように思われるとのこと。右で脳梗塞が出ているので、左の視界とかに影響が出ているかもしれないし、この後は検査と治療をするが、リハビリに移れる感じになると状況によっては転院となる、など。生きるとか死ぬとかの話ではないようだ。よかった。
話を聞いて部屋に戻ると昼ごはんを食べている。おかゆみたいなものが数種類。飲み込みとか誤嚥のケアなんだろうね。
お袋が看護師の人に説教をしている。
「今はイカが美味しいから、酢味噌とあえるともう一品になるでしょ?お酒のアテになるからご主人も喜ぶから」
。。。何て大きなお世話の病人だ。。。黙ってはよ食べ、というと「おいしくな〜い」と言う。まぁ、病院食と家庭の飯を比べる方が悪い。
しばらくみていると、トレーに乗っていた器を並び替えて、自分でスプーンを握っておかゆを食べようとしている。器と自分の間に距離があることがもちろんわかっていて、おかゆだから垂れてしまうことも認識していて、いざ食べる時にはさっと口に運ぼうとしている。本当に、普通の姿にちかく思える。
飛行機の時刻から逆算して、そろそろ戻らないといけない時間になり、看護師さんにお願いしてお袋に別れを告げた。
途中で。
お袋に「体とか痛いところはないね?」と聞くと
「心が痛い」と言った。「みんなに迷惑をかけていることで、心が痛む」と。
うん、そう思って。だからこそ、頑張って回復して。迷惑かけっぱなしにならないように。
2回目の帰省、本当に良かった。
次の週末は戻れないけど、その後はどうしようかな…兄貴もしんどいだろうし、そう言うことも含めて、また帰って来ないとね。
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