fc2ブログ

二人歩き

ブリューゲル ブリューゲル ブリューゲル


今朝も見かけた。

もう遠く、遠く以前に還暦を迎えただろう老夫婦。
背中が丸まった背の高いご主人と、元気そうな奥さん。
二人で連れ立って散歩している。

二人とも杖を持っているけれど、
その手はお互いに、外側の手で持って。内側にある手はつながれている。

いかにも近所に住んでいるような、気取らない服装。
早朝の散歩は日課のようだ。
アースカラーというとおしゃれかもしれないが、薄いベージュやカーキのTシャツと楽そうなズボン。
整えて出てきたというよりも、そのまま出かけてきた感じ。

ご主人のほうが少し足が悪いのかな、歩きが遅く、重い。
奥さんのほうはしっかりと、歩調を合わせてる。

はた目には、正直に言うといい景色とは思えない。
もっと小ぎれいだったり、もっと健康そうであったり、そういった光景を目にしたい。
老いて、衰えた散歩の姿は辛い。


でも、目で追った。

つながれた手。
なんていえばいいのかわからないけど、こうやって年老いて衰えて、それでもお互いに支え合っている姿というか、寄り添っているお互いの気持ちに、心を奪われた。

自分に置き替えた時に。
老いたいとも、衰えたいとも思わないけれども、そうなった時にこうやって支えてくれる、支え合える人はいるのかな?と自分に投げかけてみた。

友人関係、恋人関係、夫婦関係、親子関係…
形はどうあれ。 本当に相手のことを思った、心の中の太い関係があるといいな。
好きとか、嫌いとか、そういうものを越えてるというか。そういうものを全て飲み込んだというか。

ちょっと出かけようか、って。目的や理由がなくても、一緒に、歩幅を合わせて、相手のことを守りながら歩くような関係。相手のことを思いやる気持ちが、言葉ではなく伝わる関係。


その姿を見送りながら。
また時々、会えるといいなと思いながら。
仲睦まじい、って言葉が似あうな、って思いながら。


◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ 

 よろしければ、一押しお願いします。

0 Comments

Leave a comment