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一気に。 お袋との奈良旅。

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初日。

京都駅でお袋と合流。そのまま予定通り昼ご飯。お袋は足がそれほどいい感じではない。乗り換えて移動するので場所をできるだけ変えたくなく、京都駅のビルで済ますことに。レストランのフロアに上がって幾つか眺めている途中でお袋がうなぎ屋の前で立ち止まる。店の前のメニューを見てうな丼というが、ほかにひつまぶしや一本焼きというものがある。
こういう時にお袋は少しけちる。もちろん、親子だから基本的には俺もそうなんだけどね。でもさ、今回は二泊三日の旅行でこんなところにいるんだし、そこで一回の昼飯代を一人1000円、2000円ケチっても仕方ないよね。多分料金を見てうな丼といったが、「ひつまぶし食べる?食べたことある?」と聞くとない様子。でも、「これがついているからこっち」と吸い物と書いている部分を指さす。「ひつまぶしにもついてるよ」と言って勝手にひつまぶしに。俺は一本焼きにした。
一本焼きというのかなりインパクトもあった。言葉の通り、頭のない、一本のうなぎがまるまる乗ってる。インパクトはあるけど、正直味は普通かな…テーブルの上にたれが置いていたからよかったんだけど、全体薄味かな。うなぎを食べる時はうなぎを食べた感が欲しいのでたれ多め、濃い味のほうが嬉しい。
お袋はひつまぶしの食べ方を知らず、①最初に茶碗によそってそのまま、②薬味をのせて③だし汁をかけて、と3つの食べ方を試していた。だし汁をかけるのが好みだったようだ。これも経験。良かったね♪
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さて、ここから今日はひたすら移動。
京都で近鉄特急に乗って橿原神宮、乗り換えて下市口へ。
ここでバスに乗り換えて80分くらいで、洞川温泉に到着。バス停から徒歩10分足らずで宿へ。
洞川温泉の集落は、山上川という小さな川に沿った街道の脇にたくさんの宿が立ち並んでいる。外から見て今風の新しい感じの建物はなく、古い木造の2階建てが連なる街並み。古民家、とでも言いたくなる感じ。街のあちこちに小さな水がめがあり、水の豊かな場所だと想像させる。
後になって知ったが、洞川温泉は講などでも利用するエリアだそうで、宿にも講の提灯や名板がたくさんかかっている。本当に古くからあるんだね。そのなかで、角甚、という宿をとっていた。
外観や歴史からはさびれたものをイメージしていたが、中に入ると思ったよりも小ぎれいで快適。「寝食さえできればいい」という感じではなくくつろげそうだ。いい宿を選んだのかもしれない。
奈良には何度も来ているけど、ここで温泉というのははじめて。ちょっと奮発していい部屋をとっていたので、大浴場、部屋付露天風呂、貸切露天風呂の三つが楽しめる。今回は大浴場に3回、部屋風呂に1回入った。大浴場は華美なのものではないが湯が良く、良い温泉だなって思った。
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食事もいい意味で期待を裏切られた。「旅館飯」を想像していたが、ちょっといい感じの宿飯。皿数が多いのは旅館飯風だが、それぞれちゃんと調理されているし、旨い。事前にメインは豆腐料理か肉料理の選択となっていて、肉にしといた。また、川魚の刺身(洗い)が出るようだったがそれは止めて他にしてもらった。一つづつ順に温かいものが給仕され、お腹いっぱいになるまで堪能した。
地ビールを注文したが、小瓶で¥1,100。旨かったけど、さすがこれは高くて、一本でやめといた。

そういえば。
風呂に行く途中でトイレに行こうとしたんだけど、はじめてなので場所がわからず、ここだと思って勢いよく開けた扉が女子風呂の扉だった… 目の前には脱衣場と、かごから少しあふれた衣類。幸い誰もいなく、2秒ほどで状況を把握して退散したが、人がいなくてよかった…いや、人がいたらいたでそれもよかったんだけどね…

布団敷きで休むわけだが、掛け布団が一枚でちょっと寒かった。翌朝になって分かったことだが、お袋が窓を開けた後に閉め忘れていた。。。寒いはずだわ。


翌日。
朝から風呂に入って朝食。朝食もおいしい。ご飯が進む。
いい宿だったのでそれなりに名残惜しい。さすがに凍のエリアにはもうきっと来ることはないんだろうから、さらに名残惜しい。
この宿の唯一のマイナスというか、お袋は足が悪いんだけど部屋はすべて2階にあるし、木造の古い建物だから階段しかない。昔風の、幅が狭いやや急な階段。食事も大浴場も階段での上り下りがある。これだけが、ちょっとお袋にはしんどそうだった。

この日は宿にタクシーを予約していて、ここから吉野山、金峯山寺まで移動と観光。昨日来たバスルートを途中まで戻り、そこから道を逸れて吉野山へと入る。
ドライバー曰く、この洞川温泉のエリアは、年間で奈良県二位の人を集める人気エリアだそうだ。一位はもちろん奈良市。でも、「この辺りは冬は雪深いから、そのほかの何か月かでたくさんの人を集めるんだよ」とのこと。天川、というエリアなのかな、山深い良いところだった。

気が付くとタクシーは吉野の上千本の辺りに出る。桜の頃で既にすごい人出で、そこから最徐行。最初に奥千本 金峰神社まで登ってくれた。
今まで何度も吉野には来たが、だいたい金峯山寺の辺りまでしか行かず、奥千本はもちろん初めて。仮に、お袋がいなくてもこんなところまで歩いて登ってくることはちょっと考えられない。丸一日吉野山にいることになるし、道程を考えても歩き計画しづらい。お袋と神社に参拝。なぜかお袋は遠くまで来たことに感動したのか既に涙声になっていた。。。

そこから下り始める。タクシーは人込みを搔き分けて進む。絶対に自分だと運転はできない道だな。上千本を通り過ぎて、金峯山寺の近くまで。そこの先は車両規制のためにここで降りる。宿から¥15,000くらい。電車に乗ってケーブルに乗るともっともっと安いのはもちろんだけど、諸々考えると、この出費で金峰神社まで行けたことは満足できる出費だった。
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タクシーを降りて金峯山寺までは自分の足なら5分程度なんだけど、人混みもあり、また宿を出てから2時間近くになるために、お袋のトイレ休憩を兼ねて茶店に入る。少し休憩してから金峯山寺の特別拝観へ。。

特別拝観と言いながら、もうすでに何度目かのご対面。蔵王権現の三尊。
以前よりも自分の情報が少し増えている。この本堂は日本で二番目に大きな木造建築の寺という事。もちろん一番は東大寺。で、ここが二番。こんなでかい本尊を収めてるんだから、それはそうか。それにしてもこんな山の上に。

親父と来たことを思い出す。親父と、お袋と。その時は単に自分が見たかっただけなんだけど、それでも、こういった景色を一緒に見たことは良かった。電車でふもと、そこからケーブルで上がり、黒門を通過して寺の聖域エリアへ。山門と通って特別拝観へ。この時は親父も足がしんどかったようだ。連れていきたいという気持ちばかりで配慮が足りていなかったのかもしれない。今更ながら振り返ると反省してしまう。

蔵王権現は。何度目かの対面の蔵王権現は、相変わらず威圧感たっぷりでこっちを見下ろしている。確か釈迦、千手、弥勒の三尊だったと思う。どこで見ても穏やかな表情で困った人を救ってくれそうな彼らは、ここでは全身を青く染め、怒髪で右手を上げて、右足を蹴上げて、今にも振り下ろしそうに威嚇してくる。いろいろな仏像を見る中で、こんなに威圧感と躍動感と生命力の強さを感じるものはそうそうない。いつ来てもいいし、また来たくなる。短時間ではあったが本堂内のマスの中に入ってお参り。これも、親父とも体験したもの。お袋も二回目。

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拝観を終えて、そこから歩いてケーブルに乗り、さらに電車に乗って今度は長谷寺。
お袋の足の具合がよくわからないから、急がないことくらいしかできない。いつもは歩いている駅から長谷寺の間、15分程度の道も今日はタクシー、長谷寺では399段の階段を登らないといけないが、寺のサービスで申し込めば上まで車で上げてくれる。これはありがたい。足の悪いお袋でも、長谷寺の本堂にたどり着いた。
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タイミングよく、本尊との結縁を特別にやっている。拝観料を支払い、本堂の中へ。木造仏で日本一の大きさの十一面観音の足元へと進み。そして、足へと直接触れて、ご結縁。。。 信心が強いという事ではないだろうけど、やはりこういった場所でこういった巨大な仏像に直接触れるというのはやはり心の中に響くものはある。感動したようだ。
結縁場所から外へと戻り、通常の拝観場所から参拝。足元だと観音の顔を見ることはできないが、正面からだともちろん見える。巨大だ。
お参りをし、すぐ脇にある大黒堂も参り、そのあと舞台に立つ。ここも見せたかった。いわゆる舞台造りはもちろん京都の清水寺が有名だけど、ほかにもある、という事だけでもここに来てよかったと思える。山間ではあるが開けた景色。この時期独特の若い葉の色が広がり、いい景色だ。

長谷寺というと関東の人はだいたい鎌倉の長谷寺だと思うようだ。鎌倉の長谷寺にもこないだ行き、それはそれでよかったけど、僕の中では長谷寺というとここが唯一無二。
登廊、最大の木造観音、舞台造り、花の御寺、永遠の番犬見習いたびちゃん。こんなに大満足できるコンテンツ山盛りの寺はない。
お袋はどうやら初めてだったようで、観音と結縁し、舞台からの景色を楽しみ、登廊は最後の一段だけ戻った状態で「いかにも最後の一段まで来ました」風の写真を撮って笑っていた。

ちょっとだけお袋を待たせて、たびちゃんと再会、挨拶。12才だそうだ。もうすっかり老犬だから本当に次に会えるのかどうかもわからない。今回もだらっと休んでいたけれど、声をかけるといつものたびちゃん座りに座りなおしてくれた。

拝観を終えて車で下までおろしてもらい、タクシーで駅、そこから近鉄に乗り換えて今日の宿。
この宿も、以前来た時に親父と一緒に泊まった駅前のホテル。部屋に風呂がついている部屋を選んだので前と同じと思っていたが、違うタイプの部屋だった。


奈良での食事はいつもなかなかに苦戦する。気楽な店は数件知っているが、前回姪っ子を連れて行こうとか、今回お袋をと思うと、何でもいいかなってことではなく、地元系のものがいいかな?って思う。この時点でハードルが凄い。
晩御飯はタクシーで隣の駅前の串天ぷらの店へ。
ここでお袋とひと悶着。
〆が気まずい夜になりました…


最終日。
晩御飯の時に合流した姪っ子と一緒に興福寺へ。姪っ子はこの後バイトに行くのであまり時間が取れない。まずは近場。

ここも以前に親父とお袋と来たところ。東金堂と国宝館を見学。そういえば、鹿せんべいが値上がりしている。自分の中では¥150なんだけど、¥200になっていた。結構高いよね。袋菓子のせんべいで、¥200だと買わないと思う。それを、自分が食べるのではない鹿のために?もっと安いと二つ、三つ買う気もするけど、¥200だと僕の稼ぎだと一つだけですわ。。。ごめんね、鹿ちゃん。
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そこからタクシーで法華寺へ。 ここ、はじめて来る寺。
法華寺は十一面観音が有名だそうだ。 光背が他のものと異なり、細く伸びた茎のような先に葉のようなものがついている感じ。 時期によって拝観できないと書いていたのであきらめていたんだけど、そっくりに作られた御前立的な仏像が隣にいたので、それに会えたことで満足。
もう一つ、維摩居士がいた。これ、ガイドの写真で見てかなり渋い良い感じの仏。実物はちょっと奥まったところの御簾にいて、柵があるので細かく見ることができない。
でも、素朴な木造?塑像?の仏は雰囲気がある。 絵葉書を買ったんだけど、帰りに自慢気に見せてたらお袋が欲しそうな顔をしていたので謹んで差し上げた…最初から欲しがれば二つ買ったのに…
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駅に戻り姪っ子とはここまで。
ぎりぎりで京都行の特急に乗り込んだ。

京都は再び駅ビルのレストラン街。今度は甥っ子がここで合流。中華をみんなで食べた。
彼はいきなりピアスを開けていて、洋服も真っ黒でシックなシャツ。急に大人になったな。10日ほど前に越してきたばかりで、学校も数日前に入学式だったらしい。
バイトのことを聞いたら「クラブで働く、21時から5時」という。聞くと、入学前からSNSで知り合っていた友達がいたそうで、一緒にバイトするようだ。ふーん、そういう時代なんだね。
それにしても、大丈夫なのか?兄貴に抑圧されていたからはじけちゃったのか??クラブでのバイトは諫めようかとも思ったけど、なんでも最初から保守的になるのはいい事じゃないし、時代も変わるし、そもそもクラブが怪しい所だというのもこっちの偏見だからと思って。「危ないことはするなよ」とだけアドバイスした。

お袋を甥っ子に引き継いで。そこでお袋との今回の旅は終わった。
俺達は帰途についた。




◆◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆  

 押していただけると叫びます。 

2 Comments

uky  

Re: タイトルなし

>ビバ様

コメントありがとう♪

角甚は有名なところなんだね? 何となくとった宿だったけど、とてもいいところでした♪
奈良に行く時、いつも奈良駅の付近に宿とっていて、県下には温泉はあんまりないのかな?って思ってたんだけど、思いがけずいい温泉も知りました♪

夕方の散歩で、近くに不動さんを祀った寺があって、そこも結構楽しかったし、縁があればまた行きたいと思ってるけど、なにぶん遠くて…f^^;

今回はお袋を連れて行くということで、温泉も、奥千本も、長谷寺のサービスも、いろんなことを新しく学んだよ。 同じ方面でも、一緒に行く人が違うと全く別の旅になるもんだね〜

2022/04/23 (Sat) 22:46 | REPLY |   

ビバ子  

うっきい様

おはようございます。
お疲れ様です。旅行、楽しまれて良かったです♡♡
お母さま、初めてのひつまぶし♡♡
いくつになっても初めての経験って嬉しいものだと思います。
一本焼きって、インパクト有り過ぎです~!!!笑
鰻の料理ってタレで左右されますよね。
京都から近鉄で奈良へ~。私も一度だけ、そのルートで行った事有ります。
旅行気分の盛り上がるルートだと思う。理由はないけど(笑)
洞川温泉は角甚サンに宿泊されたのですね♡
洞川温泉は宣伝に非常に力を入れていて、千と千尋の神隠しの世界と
呼ばれていたりするのですが、お宿組合(?)のリーダーサンのお宿だと
以前に聞いたことが有ります。流石綺麗にされていますね。
近隣に古い鍾乳洞や湧き水汲み場も有り、私ももう一度
行きたい温泉地です。雰囲気が有っていいですよね。
長谷寺は、お願いしたら上まで車で連れてってくれるの?
確かに階段多いものね。嬉しいサービスですね。
奈良の鹿はエサを貰えると思って、突進してくるから怖い!(笑)
ほんと、お天気に恵まれたご様子で良かったです。

2022/04/22 (Fri) 05:43 | EDIT | REPLY |   

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