命日
山田社長の命日だ。 2012年に亡くなった。
こないだも息子と会い、一言二言言葉を交わした。 彼も二代目社長として、偉大な父親と厄介な役員を持って大変だ。 お疲れさま。
社長とは幾つも思い出がある。 取引先だったということもあり30歳くらい離れた僕に一定の気を使っていてくれていたことをいつもありがたく感じていた。 広く知られていたわけではないが、それでも世界に通用している一流企業の社長としてとても親しく接してくれた。 あの笑顔、話しかけてくるときの雰囲気や身体の動きを今でも覚えてる。
一緒にアメリカに出張に行ったとき。 僕らの到着がたまたま早くなって、部屋でやることがない僕はなんとなくホテルのロビー辺りでくつろいでいた。 遅れてきた社長一同は
! ちゃんとそうやって出迎えてくれるって、本当に気持ちがいいね。
と、僕が出迎えていたと勝手に勘違いして、そのせいで知らないうちに僕の株が上がった。 逆に、一緒に行っていた僕の先輩は「気が利かない」と言われていた。
仕事で先方にうかがったときしばらく不在が続き、「検査入院している」と担当からは聞いていたけど、なんとなく「癌」なんだろうな、って感じていて。でもずっといなくて会えていなかったけど、あるとき、そこにいた。 嬉しくなって近寄っていくと、凄く痩せた姿になっていたけど、いつものあの笑顔で「おぉ、お猿さん♪」と握手してくれた。 痩せてはいたけど力強い握手だった。
その再開からも何度か会うことが出来たが、やがて亡くなってしまった。
その時は僕は異動をしていて会社としての付き合いは亡くなっていたが、その厄介な、これもまた僕を可愛がってくれている役員から「社長が亡くなった」って、一番に連絡をくれた。 ありがたかった。
ゴルフ場で、ふわっと浮くボールの打ち方を教えてもらったり、銀座でマジックを見せてくれるバーに連れて行ってくれたり、ロスに行った時には無理矢理アイスクリームを食べさせられたり・・・いつも、あの笑顔が一緒にあったな。
近くを通るとき、ゴルフに関わるときにはいつも思い出しています。 社長。 いまでも、たくさん感謝しています。
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