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月命日

ブリューゲル ブリューゲル ブリューゲル

親父の写真を、親しい女の子に見せた。
家で、パンツとランニングで。 横になって、テレビのリモコンを握ったまま口を開けて寝ている写真。 人に見せるものではないが、親父の一番の素の姿だと思う。

彼女の父親も既に亡くなっているのだが、その写真を見て「うちのお父さんもこんなだった」と言っていた。
「親父」という生き物はだいたいこういうものなのかな・・・


その時に久しぶりに最後の家族旅行の写真を見た。 親父とお袋が、部屋についていた露天風呂に入っている写真。 お袋は最初、俺に一緒に入れって言っていた。 湯船で何かあると困るから、という意味だったが、部屋についている風呂だし、俺もその横に居ることだってできるし、もうきっと残り少ない機会だしと思ったから、お袋に「お袋が入り」って譲った。 その時の写真。
親父はその後、旅行からの帰りに容態が悪くなりそのまま入院し、数日で亡くなったから、あれが親父とお袋が一緒にはいった最後の風呂だ。 結果としてその機会を作ることが出来てよかった。

そう思えば、親父が亡くなる日の前日、入院の当番は俺だったが、やっぱり親父の様子がおかしくて当番をお袋に譲った。 翌日の夕方に親父は亡くなった。 ここも。 最後の夜を過ごす機会を作ることができたわけだ。 偶然だけど、良かった。


親父の一番近くにいたのは何と言ってもお袋だ。 俺もそこそこかわいがってもらっていたつもりでいたが、最近お袋に聞くとどうやら親父は兄貴のことをかわいがっていたのは間違いないが、俺のことをかわいがっていた、という発言は出てこない。
まぁ、そういうのはこっちの受け取り方の問題だからいいけどね、別に。 待遇がどうであれ、俺は親父のことが好きだったし、お袋のことも好きだし。 片思い的なものだとしても、それはそれでいいや。

今朝もお袋に、「俺の分の線香もあげておいてね」と送った。 「わかった」とはいうけど、実際にしているだかどうだか・・・
月命日。 親父はまだ僕の中にいるよ。 口をあけて、リモコンを握ったまま。


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