月命日



月命日。
お袋はいつものように、坊主の読経を聞いていたらしい。
いつも来ていた坊主が身体を壊し、代わりの坊主が来ているそうだ。
坊主もどんどん歳を取る。
お袋もどんどん歳を取る。
親父が生きていたら今はどんな感じなんだろうな?
こないだ。
最後に親父の看病で病院に泊まったときのことを思い返していた。
痛みでずっと唸って
薬で抑えて
薬が切れるとまた痛みで唸って
また注射を打っての繰り返し。
ふと。
痛い・・・
とつぶやく。
どうね?痛いんね?
と聞くと
痛い・・・死にそうや・・・
と言っていた。
それから二晩を越して親父は亡くなった。
不謹慎にも
死にそうや
って言われて
そうだろうな
って思ってしまった。
治療をしない、という判断をして入院しているんだから
後は死を待つだけだったとは言え
そうだろうな、って思った俺も俺だな。
来月が命日。想いはいつも新たにある。
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