ボストン美術館展



ボストン美術館展へ。
金曜の夜は20時まで見ることが出来る。
以前、薬師寺展に夜に来た時には、夜にもかかわらず結構混んでいた。 今回は、国立博物館の敷地にはいってもそれほどは人がいない。 うん、夜はこれくらいであって欲しいな。
さて今回の展示会は、ボストン美術館に収蔵されている、日本から渡った美術品が里帰り、というもの。 なかなか、楽しそうな企画だ。
日本美術と言えば水墨から始まりそうなものだがもう一つの日本美術、仏像関係の作品からスタート。 掛け軸を中心にたくさんの仏画がある。
普段はあまり掛け軸には気が向かない。 というのも、それよりも立体感のある仏像の方が僕には魅力があることと、やはり絵画は色が褪せてくると見づらいから。 仏像ならば、色が褪せていても形が見えるが、絵画は色が褪せると・・・全体的に見づらいばかり。 ということで、何となく避けていた。
が、今回展示されているものは、いい。 文殊が乗っている白像の目がいやらしかったり、愛染かな、明王の軸も色鮮やかでよかった。 想像していた通り、色褪せや擦れによる見づらさはあったものの、それでも、いいなって単純に感動した。
他に、吉備真備の唐への道中記の巻物があった。 巻物も、実はあまり興味がない。 ・・・長くて良くわからないから。 文章が書かれていても全く判読なんか出来ないから、流れに沿って歩きながら「ふーーん」程度の見学しかできないのが常。
が、この道中記は解説が簡略だったことと、それに照らして眺めてみると内容が面白いことで、結構楽しめた。 吉備真備が唐へ行った際、騙されて幽閉されてしまうが、それよりも以前に同じ目に遭っていた霊(阿倍仲麻呂らしい)に助けてもらい、難を切り抜けていく、というもの。 絵だけを見ると多分わからないんだけど、解説付きで見ると、いわゆる「こっけい」で楽しい。 こんな感じ

夜なのでそこそこ見やすく、どんどんと進むと後半は屏風絵や、そして最後にはメイン展示品の一つ、「雲龍図」が。 元は襖絵らしく、8枚程度が展示されていたが本来はもう少し枚数が多かったらしく、それにしても迫力がすごい。 いつも思うことだが、仏像にしろこういう「龍」図にしろ、実在しないものを想像力でここまで表現できる人たちはすごい。 墨で描かれているその雲龍図も、なぜか本当の色がこんな風なんだろうな、と思わせるくらいの迫力だ。 リアルを再現しようとした写実もすごいが、水墨などでもこんなにも生きて実在するかのような迫力とリアルさを持った絵が描けることに感動した。
時間にして1時間くらいしかなかった。 後半、段々と

と追われるような感じになった。 まぁ、仕方ない。
いい展示会だった。
機会があればもう一回行ってもいいなぁ。

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