お袋との軽い言い争い

いつものことなんだけど。

　あんた、今度部屋片付けに行くよ。
　おぉ、ありがと。　助かるよ。　ほんっとうに汚いけどね。

と、ふと。

　あ、でも、いつも言うように泊まれないからね、うちには。　狭くて。　新宿とかでホテルとるから。
　なんでね。　そこに泊まればいいやんね。　お金無駄になるし。

ここでいつも決裂する。
一応１Ｋで、６畳の部屋と６畳弱のキッチンなんだけど、部屋のほうは荷物が少々あるために居住スペースが狭い。　さらに、使っている布団がダブルサイズの大きさのために、それを敷いたらもう空きスペースは無い。　お袋はその現状は見たことが無いからわからない。

　あのね、いつもここで決裂なんだよ。　俺は「来るな」って言ったことないでしょ？　逆に「ありがとう」って言ってるのに、「うちに泊まる」って条件でいつも駄目になるんよ。　俺がホテルに泊まってもかまわないし。　ここに二人が寝るってことが無理なんよ。

お袋は食い下がるが、それでも無理なものは無理。


ふと。
お袋のことを考えると、ちょっと家のほうで煮詰まってるんだろうな、って思った。　兄貴とか、親父とか。　で、少しのんびりというか気分転換したいという感じなんだろうな。
こないだも東京に来て、親父もさすがにしんどそうだったが、お袋ももうそんなには来れないかもしれないって感じたのかもしれない。　だから珍しく、電話を掛けてきてこんなことを最初から話してるのかもしれない。

話をつなげながら、そんなことを考えていると、お袋に甘えるのももう少ししか出来ないなと思いつつ･･･それでもうちには泊められないというところは譲れずに･･･

近いうちにまた電話しよう。
譲れないことは譲れないままだけど、それでも一度、来てもらうようにしよう。



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　つけてみました。　
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