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ちょっと泣いた

ブリューゲル ブリューゲル ブリューゲル


昨日。 一番の親分と飲んだ。 前の部署で、僕を育ててくれた人。 その人と、その次に御世話になった人と。 他に女性が二人。 五人で飲んだ。

僕の隣にその親分が座っていて、いつものように飲みながら話が進む。 近況。 親分のお孫さんの話とか、今年の震災を受けて、親分が海から近いところに住んでいるから津波対策のこととか、奥さんと最近頻繁に行っている旅行のこととか。 いつものように、いつもの楽しい時間。

少し時間が過ぎて。 少し話が割れたとき、親分に聞いてみた。 ずっと、聞いてみたいことだった。

「親分が、あの事業をスタートしたときって、いくつのときだったんですか?」
「アレは・・・43歳だったよ。」
「あ。 今の僕と同じ年齢だったんですね。」
と、そのとき涙が出てきた。

親分は当時、うちの会社の中で決して主流とはいえない部署にいて、その部署の売上も頭打ちの中、「何か新しいことを」と、ある事業を立ち上げた。 まさに全くの「0」からのスタートだったが、製造するところ、売ってくれるところ、売り方、広告など・・・一切を仕切って、結果的に大きな事業へと育て上げた。 それは、その業界全体を動かすような、大きな仕事だった。
前に飲んだときも過去の話に触れるにつけ、
「本当に苦しくて眠れなかった」とか、
「これだけ、嘘偽り無くがんばったんだから、絶対にいい結果になるって信じてた」とか、
一緒の部署でピヨピヨ鳴いていた僕には全く知れないところで苦しんでいたことを聞いた。

今。
親分は引退して、僕はその事業から離れて別の部署にいて。 環境は違えど、「商品開発」という同じ立場にいる。 ちょうど同じ年齢でありながら、僕はその同じ立場で何が出来ているんだろう、どれくらい親分に近づいているんだろう、と考えた。
今、僕は一人で商品開発をしていて、そういった意味では仕事の不安をたくさん抱え込んで、正直悩んでる。 不安で進むことをためらうこともある。 でも、「甘えちゃいけないな」って改めて思った。

親分から
「おさるさん、がんばるんだよ。 やるんだよ。」と、いつもの口調で応援してもらった。 少ない言葉数、特別でもなんでもないその言葉に、計り知れないくらいの気持ちを感じた。

涙がまた出てきた。 涙をぬぐいながら、「はい、がんばりますよ!」と応えた。

僕はたくさんの人に支えられている。 一年一年、一日一日、そして一時一時を大切にしながら、その人たちからの応援に「結果」を残して応えていくことができたら、と思う。 忘年会。 年を忘れるための会ではなく、年を忘れないための会なのかもしれない。 いい会だった。






ちなみに。
二次会で久しぶりに行ったカラオケで、その親分は相変わらず調子っぱずれの歌を歌っていた。 途中から視点が合わなくなり、最後には動きがおかしくなっていた。
新橋の駅で別れるころには・・・「元気な姿も今日で最後か・・・」と、僕は小さく手を振った。




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 つけてみました。 
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