雨で知らなかったこと
止んでいた雨が弱く降り始めた。
僕の前のほうを、人が歩いている。 おばぁちゃんだ。
距離が近づくにつれ、その人の独り言が聞こえてくる。

そのおばぁちゃんは片手に買い物袋を。 もうひとつの手には杖を持っている。
歩くスピードは遅くて、少し寒いから上着を着て。
そのおばぁちゃんを追い越す。
すぐ先の角を曲がると僕の家だ。
僕は部屋に入ると、すぐにビニール傘を持ってもう一度表へ。
おばぁちゃんが角を曲がってきた。
傘を差し出して、



傘を持って、僕は部屋に戻った。
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せめて帽子を貸してあげればよかったんだな。 って思って。
そのあと、あ、フードつきのウインドブレーカー貸してあげればよかったんだって思って。
あーゆー人って、濡れるのを我慢して歩くしかないのかなって思って。
何にも力になれなかった。 ちょっと落ち込んだ。
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