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溺れかけた記憶

幼稚園の頃。
山口県下関市に住んでいた。 綾羅木(あやらぎ)という、小さな町。

そこで、海岸から塀を隔てたような場所に住んでいた。
いつも、その塀を乗り越えて海へ遊びに行っていた。


時期も覚えていない。 時間も覚えていない。
小さな背丈の自分でも遊べるような砂浜で泳いでいたはず。
兄がいて、自分がいて・・・あとは覚えていない。

覚えていのは海が濁っていたこと。
波が高くて、砂が舞って濁った茶色い水の所々に白い波頭の泡が見えていたこと。
自分が岸に上がろうとして動いているんだけど、その動きよりも強く大きく波に引き戻されていること。
時々、自分の身体の上下がどうなっているのかわからなくなっていること。

どれくらいの時間の出来事だったかも覚えていない。
気がつくと、何とか岸にたどり着いていた。 かなり水を飲んでむせかえっていた。
砂浜が茶色くて、空が鉛色だった。 でも、陸地にいた。


茶色い水、白い泡、身体を引き込まれる感じ、天地もわからなく海にもまれている感じ・・・
そんな記憶だけだけど・・・時々、あ、俺ってあの時死に掛けてたんだなって思い出す。

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